私の専門は脊椎内視鏡手術の中でも最も小さい傷で手術が可能な、『全内視鏡下手術』と呼ばれるものです。直径わずか8mmの内視鏡を用いることで体への負担を減らし、入院期間の短縮と、早期社会復帰を目指すことが、当クリニックの基本指針となります。
脊椎内視鏡は手術の低侵襲化を目的に開発された技術ですが、あくまで治療における選択肢の1つに過ぎません。日々、低侵襲な治療を心掛けている私が思う真の低侵襲治療とは手術を回避する予防治療だと実感しております。しかし、手術を必要とする患者様も一定数いらっしゃいます。私は、この『予防と手術』という相反する2つの治療法の使い分けこそが医師の腕の見せ所であり、手術という選択肢を持つからこそ的確で効果的な予防治療の選択が可能となるという信念のもと、最善の治療を提供していきたいと考えております。
「One for all、All for one」という言葉をご存じでしょうか?ラグビーで用いられ、「一人は皆のために、皆は一つの目的のために」という意味です。後ろ部分を、「皆は一人のために」と認識している人が多いかと思いますが、本来の意味するところは「一つの目的のために」であり、私はこの言葉が大好きです。私は学生時代、ラグビー部に所属しておりました。ラグビーというスポーツは15のポジションがあり、そのすべてで与えられた役割が異なります。1人のヒーローでは勝利は得られず、各個人が自分の得意分野で責務を全うすることが強いチームの条件です。ラグビーというスポーツに全力で取り組んだ経験が私のバックボーンです。私はこのクリニックを立ち上げるにあたり、この「One for all、All for one」を一つのテーマに掲げました。
当クリニックの目的、すなわち「for one」とは「脊椎疾患治療の低侵襲化」です。その命題に応えるためには脊椎内視鏡手術に特化するだけでは選択肢が狭く不十分だと考えました。そこで私は、幅広い治療選択肢を提示し、可能な限り多くのニーズにお応えするために、一般脊椎、整形外科のみならず、疼痛管理に特化したペインクリニック内科との融合を目指し、各分野の専門家を結集しました。また、日々の診療だけでなく、脊椎治療をより良いものにしていくための学術的な活動、その結果から得られた知見を広めるための啓蒙的な活動も含め邁進して行きたいと考えています。
述べさせていただきました理念に基づいて、当院のすべての診療科とスタッフ、すなわち「All」が一丸となって、皆様に「All for one」の治療を提供していきたいと考えています。
札幌脊椎内視鏡・整形外科
院長 長濱 賢